
成長期のお子さんを持つ保護者の方から、
「朝ごはん代わりにスムージーを飲ませています」
「野菜が苦手なのでスムージーにしています」
というお話を聞くことがあります。
小松菜やケール、果物や豆乳などを使ったスムージーは、たしかに栄養価の高い飲み物です。
でも、成長期の身体づくりという視点で見ると、少し気になることがあります。それは、「噛む機会が減っていないかな?」ということです。
「子どもに、朝食やおやつでスムージー飲ませてます」
健康意識の高い親御さんほど、そう言います。
小松菜、ケール、ブルーベリー、バナナ、豆乳、チアシード。
たしかに栄養価は高い。野菜が苦手な子でも飲んでくれる、という声もよく聞きます。
でも私は時々、こんなことを考えます。
「それ、噛みましたか?」
栄養はある。でも咀嚼はない

スムージーの問題は栄養素ではありません。
問題は、「噛まないこと」。
本来、食べ物を口に入れると、
- 噛む
- 唾液が出る
- 脳が食事を認識する
- 胃酸が出る
- 消化の準備が始まる
という流れが起こります。
ところが液体になると、このプロセスが大幅に短縮されます。子どもの身体は、それを「食事」というより「飲み物」として受け取ってしまうこともあります。
咀嚼力は筋力。成長期にこそ育つもの
もう一つ見落とされがちなのが、噛むことそのものが運動だということです。
顎を動かす。舌を動かす。頬を動かす。
口の周囲にはたくさんの筋肉があり、これは成長期にこそ発達していく部分です。使わなければ、育つはずの力が育たないまま大きくなってしまう。これは全身の筋肉や脳と同じです。
毎朝スムージーで栄養を済ませる習慣が続くと、子どもが本来この時期に獲得していくはずの「噛む力」そのものが、育つ機会を逃してしまうことがあります。
噛む力は全身につながっている

近年は口腔機能と身体機能の関連も注目されています。研究でも、しっかり噛める子どもほど、
- 食事量を確保しやすい
- 栄養状態が良い
- 運動機能が育ちやすい
と言われています。
栄養素だけを追いかけて、子どもの「食べる力」そのものを育てる視点が抜け落ちていないでしょうか。
スムージーを否定したいわけじゃない
誤解しないでほしいのは、スムージーが悪いと言いたいわけではありません。
忙しい朝。野菜を食べたがらない日。補食として。
役立つ場面はたくさんあります。
ただ、
「身体に良い食材を摂らせること」
と
「子どもの身体が育つこと」
は同じではありません。
食べることは、栄養を流し込むことではない
私たちはつい、たんぱく質何グラム。鉄何ミリグラム。と数字で考えます。
でも子どもの身体は数字だけでは育ちません。
噛む。味わう。飲み込む。
そんな当たり前の営みの中で、子どもの「食べる力」は育っています。
健康のために飲ませているそのスムージー。
栄養は、もちろん大事。
でも、それより先に大事なことがある気がします。
その一つひとつの動きが、子どもの「食べる力」をつくっていく。
スムージーより、食べようよ。
STAND by U では、成長期のお子さんやアスリート、そして成人女性の栄養サポートを行っています。食事の内容だけでなく「食べ方」のご相談も承っていますので、お気軽にどうぞ。


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