
新学期が始まると、ただでさえバタバタする朝。「早く食べなさい!」なんて、言いたくない言葉も出てしまう…。そういう日もありますよね。
実は、この時期の子ども達が、「食べない」のは、ただののんびり屋さんや、やる気のなさ、わがままでもありません。「身体がうけつけなくて食べられない状態」なのかもしれません。
それは新入学や新学期という、新しい環境へのみえない緊張や、心身からのSOSサイン。
この記事では、管理栄養士の視点から、この時期の子どもの身体の中で何が起こっているのか、また親御さんの心がふっと軽くなる「朝の整え方」をお伝えしたいと思います。
なぜ「食べられない」のか?自律神経との深い関係


新入学や新学期、フレッシュな気持ちでワクワクしたり、新たな出会いが楽しみだったりの季節ですね。
一方で、気疲れやストレスで身体は、「自律神経の緊張モードである交感神経」が優位になりっぱなしになっています。
その結果、やりたくもないのに、朝のバトルをしてしまい、お互いに自己嫌悪に陥ってなんとなくいやーな気持ちで1日を過ごしてしまうことも。
また、シャキッとしない様子を、低血圧や朝に弱いだけという体質のせいだと思い込んでいることもあるかもしれません。
朝食でトリプトファン(アミノ酸、たんぱく質)を摂ることで、心の安定に不可欠な「セロトニン」を分泌します。また血糖値が安定しやすくなり、イライラや不安の解消にもなります。
胃腸の消化吸収能力は、「リラックス(副交感神経が優位)」している時に働くものです。身体と心が緊張モード(交感神経が優位)のままでは、胃腸が動かないので、消化や吸収がしにくい状態なんですね。
だから次の食事がうけつけないというのは、身体の自然な反応であるといえます。
明日の朝から実践!ガチガチの胃腸を優しく起こすステップ
緊張で動きににくくなった胃腸には、無理に食べ物を詰めこもうとしても、それはもしかしたら逆効果になってしまうこともあります。
まずはハードルをグッと下げて、胃腸を優しく起こしてあげることから始めてみませんか?


あたたかいものの摂取で、胃反射が起こり腸が動きやすくなったり、また深部体温も上がりやすくなります。
あたたかいお味噌汁
朝起きたら、まずは温かいお茶やスープ、具なしのお味噌汁を一口でも飲ませてあげてください。
温かいものが「胃の粘膜」に触れると、副交感神経(リラックスモード)が刺激され、眠っていた胃腸がゆっくりと動き出します。
食べやすい&たんぱく質
少し胃腸が動いてきたら、エネルギー源となるものを口にしましょう。この時に、パサパサ食感よりは、喉越しの良いものがおすすめです。
お豆腐や卵が入ったお味噌汁は、栄養的にも食べやすさ的にも最強メニューです。
ご飯に鮭フレークやすりごまをパラパラとかけたり、おにぎりにしてもいいですね。時間がある時につくりおきしておいた、味付け鶏そぼろ(甘辛でもカレー風味でも◯)も。
「食べやすさ」プラス「たんぱく質」の摂取が、ストレスを緩和させ、「ちょっと気分があがってきたな」とか「学校へ行こうかな」というきもちになる効果が期待されます。
それも食べられないようなら、バナナやヨーグルトなど、「これなら食べられそう」と子どもが思えるものからのスタートでもOKです。
栄養バランスばっちりの、完璧な朝ごはんをしなければ!と思うきもちもあるかもしれないけど、「少しでもエネルギー補給ができればハナマル」と、お母さん自身の心も軽くしてあげてくださいね。
そして何より、「子どもに食べさせないと!」と必死な親御さん自身も、コーヒーだけになってたりしていませんか?
一緒に「あたたかいお味噌汁」を飲むことで、食卓の空気自体が変わるかもしれません


実は朝ごはんの鍵は「夜」にある?
そして実は、「朝スッキリ目覚めてお腹がすいたぁ!」という状態をつくるための最大の鍵は、朝の工夫はもちろんですが、「夜の過ごし方」にも隠されています。
時間栄養学という言葉もあります。生活リズムの同調は、光と食事で体内時計を合わせることが重要です。海外との行き来が多いアスリートも、光と食事でジェットラグ(時差ボケ)を解消しています。
次回は、自律神経を整えて、朝ごはんを美味しくモリモリ食べるための土台となる、「成長期の子どもの睡眠」についてお伝えしたいと思います。ぜひ、楽しみにしていてくださいね!









