阪神淡路大震災の日のこと 〜死生観のはじまり〜

29年前の5:46、阪神淡路大震災が起こった。
私は当時、17歳の高校2年生。

震源地からは離れたところではあったけど、
でも地震が起こった早朝の瞬間は、
人生で初めて「死」を感じた。

当時は一軒家に住んでいた。
家が大きく強く長く揺れ続け、
「ブルドーザーで家を壊しに来られた!!」と
思いながら、頭から布団にくるまっていた。

すぐに父親とその後ろから母親が
私の部屋に飛んで来てくれた。
父が飛び起きた直後に、
父の枕の上にTVが落ちてきたそうだ。

1階に降りると、
キッチンの大きな食器棚が倒れて、
食器は半分以上が割れていたし、
父が海外出張で買って飾られていた洋酒は、
ほとんどが割れて、
甘いアルコールの匂いでいっぱいだった。

私は灯油ストーブの前で毛布にくるまり、
恐怖と寒さで震えていたのを覚えている。

TVで被害の様子が徐々に明らかになり、
神戸の火事や、西宮の高速道路の崩壊を知り、
死者がどんどん増えていくのを呆然と観ていた。

親戚が被害の大きなところに住んでいたけど、
全員が無事だったことに安堵した。

その日のことは、今でも明確に覚えていて、
今でも大きな音や少しの揺れでも怖いなって思う。

初めて死を感じ、当時の日記にも長く、
その時の感情を書いた。

その時もその後も長い間思っていなかったけど、
その日から私の「死生観」は育まれていったと今は感じている。

日常は当たり前ではなく、奇跡の連続であること。
今、環境、周りの人、自分の命。
それらに感謝して、自分の命を全うして生きぬきたい。

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Profile

管理栄養士
臨床傾聴士
食物栄養学修士
PNTトレーナー
分子栄養学カウンセラー
アスリートフードマイスター

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