【セミナー開催レポート】児童養護施設・乳児院での食支援を考える〜成長期の栄養と心のケア〜

目次

はじめに

児童養護施設・乳児院の栄養士さん向けに
成長期の栄養と心のケアについてセミナーをさせて頂きました

児童養護施設・乳児院には、虐待、親の病気、死別、経済的な問題、ネグレクトなど、様々な理由で親御さんと暮らせない子ども達が暮らしています。

そこでの日常は、「生活の場」であり、同時に「育ちの場」。職員や栄養士さんたちは、限られた時間と環境の中で、“食べること”を通して子どもたちの心と身体を支えるという大切な役割を担っています。

今回のセミナーでは、成長期の栄養と心のケアという視点から、子どもたちの“食べる力”を支えるために、同じ栄養士・管理栄養士の仲間として、今できることを一緒に考えました。

栄養とグリーフケア

彼らは、家庭という“居場所”を失うという形で、すでに大きな喪失(グリーフ)を経験しています。

その喪失は、涙や悲しみとして表に出るとは限らず、「食べられない」「怒りっぽい」「笑わない」「人を信じられない」など、行動や身体のサインとして現れることもあります。

こうした心の痛みは、栄養や食行動とも深く関係しています。たとえば、「食べられない」ことの背景に、安心感の欠如や自分への否定感が隠れていたり、逆に「食べすぎてしまう」ことの裏に、孤独や不安を紛らわすための行動があることも。

栄養とグリーフケアは、切り離せない領域です。この勉強会では、まさにその“栄養とグリーフケアの交差点”にあるテーマ「栄養+心の支援」について、現場の皆さんとともに考えました。

現場とオンラインのハイブリッドにて交流

県全体の児童福祉協議会の学習会ということで、現地まで片道2時間近くかかるような方は、オンラインでの参加でした。オンラインでもお互いの伝わる熱量は同じ!とても良い交流をさせて頂きました。

参加者のご感想

セミナー後のアンケートにて、栄養士としての情熱や愛情が溢れる、たくさんの嬉しいお声をいただきました。いくつか抜粋してご紹介します。

児童養護施設

本日はありがとうございました!

私は低身長の子が増える中、インターネットで低身長についてを調べている際に、かいちほさんのブログに辿り着きました。なので、その方から講義をしていただけると聞いた時には、本当に嬉しく思いました。お忙しい中、講義、セミナーに来てくださりありがとうございました。

講義も濃厚であっという間でしたが、とても分かりやすかったです。こんな勉強もしたなと復習する機会にもなりました。普段保健所で開催される研修ももちろん勉強になるのですが、どうしても対象が保育園・学校となり、求めてる物が少し違いモヤモヤしてる部分も多くあり、物足りないこともしばしばでした。

ですが、かいちほさんの講義は欲しかった情報をたくさん得られて、とても有意義な時間でした。社会福祉施設の栄養士は分母がそもそも少ないため、なかなかスポットライトが当たらない部門だと思っています。なので、なかなか思ったような勉強会は開かれず、専門性を上手く活かせてないのではないか?と悩む社会福祉施設も少なくありません。なので、かいちほさんには、大変だとは存じますが、こういった社会福祉施設の栄養士の光になっていただきたいのです。

本当に今回の講義は楽しくて胸がドキドキしました。そして何より普段の学園の生活に活かせそうだと思いました。またぜひ講義をお聞きしたいです。よろしくお願いいたします。

児童養護施設

今回初めて参加させて頂きました!大変勉強になる事ばかりでした!

子供たちと関わる中で、改めて子供たちにも知って欲しい知識が多かったので、先生から学ばせていただいたことを子供たちが興味を持って貰えるように話していきたいと思いました!

各年代に沿った子供の体の状態や、栄養が与える効能など詳しく知ることができてすごく学びになりました!本日はたいへんありがとうございました!

児童養護施設

今日はありがとうございました!この度の学習会とても参考になりました。

児童養護施設として何かグリーフの体験がある子どもが多いと思うのですが、施設に入所しても周囲の環境が変わり緊張の連続で、偏食や一時的な過食などや、それに伴う体調不良など一人ひとりの状況に寄り添った支援や対応を直接処遇職員と一緒に考えて、実行していくことが大切だと思いました。

子どもたちの成長や身体の不調への栄養面からのアプローチについて、精神的な面や医療的な対処に目が行きがちですが、管理栄養士として本来するべきである、栄養・食事を通して改善や軽減が見込めないかやってみるということを忘れていたので、出来るところから挑戦してみたいと思いました。

児童養護施設

この度の学習会とても参考になりました

児童養護施設として何かグリーフの体験がある子どもが多いと思うのですが、施設に入所しても周囲の環境が変わり緊張の連続で、偏食や一時的な過食などや、それに伴う体調不良など一人ひとりの状況に寄り添った支援や対応を直接処遇職員と一緒に考えて、実行していくことが大切だと思いました。

子どもたちの成長や身体の不調への栄養面からのアプローチについて、精神的な面や医療的な対処に目が行きがちですが、管理栄養士として本来するべきである、栄養・食事を通して改善や軽減が見込めないかやってみるということを忘れていたので、出来るところから挑戦してみたいと思いました。今日はありがとうございました!

児童養護施設

先生との学習会の中で、改めて管理栄養士・栄養士としての専門性をどのように発揮していくことが必要なのか学ばせていただきました。

会場でもお話しましたが、児童養護という世界に居ますと、どうしても家庭的な雰囲気を経験させるという観点から、食事については栄養学的な視点よりも家庭的な視点が優先されがちです。

ただ、栄養士としての職務は本来そのような場合でも、子どもたちに必要な栄養を届けることだと思っていますので、栄養士としてできることはまだまだあるなと再認識させられました。

また児童養護の子どもたちへの支援も喪失を埋めていくことであるため、グリーフケアの1つであるということは目から鱗でした。本当に学びの多い時間でした。ありがとうございました!

乳児院

好き嫌いのある子どもたちの栄養バランスを整えるのは大変ですが、色々試してみようと思いました。

とても聞きやすくわかりやすく説明していただきありがとうございました。

まとめ

栄養は身体を支える力、グリーフケアは心を支える力

児童養護施設・乳児院の現場では、その二つがいつも同じ食卓の上で出会っています。

大きな理想も大事だけど、綺麗事だけでも実現できない。だからこそ、完璧さよりも、「無理なく続けられる工夫」と「安心の積み重ね」が、子どもたちの“食べる力”をじわじわと着実に育てていく

今回、参加者のみなさんの実践と対話から、その確かな手触りを分かち合うことができました。

本当にありがとうございました!

セミナー・研修のご依頼について

STAND by U かいちほ は、“リアルで心を通わせる学びの時間”を大切にしています。

児童養護施設、乳児院、学校、企業、医療・福祉施設など、全国どこへでもお伺いします。
もちろん、オンラインでの開催も可能です。

テーマはご希望に合わせてカスタマイズ可能です。
例)
成長期の栄養と心のケア
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Profile

管理栄養士
臨床傾聴士
食物栄養学修士
PNTトレーナー
分子栄養学カウンセラー
アスリートフードマイスター

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