【セミナー開催レポート】ケアの距離感を見つめ直す 2.5人称という視点 〜支えること・支えられることをチームで考える〜

セミナー表紙

2026年2月中旬『ケアの距離感を見つめ直す 2.5人称という視点 ー支えること・支えられることをチームで考えるー』を対面にて開催しました。

医療・福祉・教育・対人支援の現場では、「寄り添いたい」という想いがあるほど、距離の取り方に迷いが生まれます。近づきすぎて疲れてしまう。離れすぎてしまい、関われなかったと後悔する。

今回のセミナーでは講義中心ではなく、グループワークを多く取り入れながら、参加者それぞれが揺れの中にあるケアの本質を、「2.5人称」という視点から見つめ直すことを大切にしました。

目次

なぜ「距離」がテーマなのか

ケアにおいて問題になるのは、『技術』ではありません

多くの場合、
・共感しすぎてしまう
・相手の苦しみを自分のことのように背負う
・「何とかしなければ」と抱え込む
という構造が、ケア者自身を消耗させます。

良いケアを続けるためには、まず、関わる距離を言語化し、自分の無意識の思考を知ることが必要になります。

2.5人称という視点

人との関係性は、しばしば次のように語られます。

1人称:私
2人称:あなた
3人称:対象・患者・利用者

しかし実際のケアは、このどれでもありません。完全な当事者でもなく、客観的な観察者でもない。そのあいだに存在する関係。それが 「2.5人称」 です。

相手の苦しみに触れながらも、飲み込まれない位置。共に在りながら、境界を保つ立ち位置です。

参加者の声(一部)

感想 ①

ケアにおける距離感について、これまであまり深く考える機会がありませんでしたが、今回の研修を通して多くの気づきを得ることができました。

自分では気づかないうちに、心に残り続けている関わりがあったことにも気づかされました。これからは、ケアにおける距離感を大切に考えながら、一つひとつの関わりを丁寧にしていきたいと思います。

感想 ②

利用者・ご家族との距離について学ぶ研修は今回が初めてであり、多くのグループワークを通して、他職種のさまざまな意見を聞くことができ、大変有意義な研修でした。

これまで自分では寄り添えているつもりでしたが、振り返ると、距離を取り過ぎてしまっていた関わりもあったのではないかと気づかされました。

「2.5人称」という視点からケアを捉えることの重要性を学び、関わりの後に気持ちを整理するためのディスカンファレンスの必要性と大切さを改めて感じました。

また、職員同士の普段は見えない一面を知る機会にもなり、どのグループからも多くの学びを得ることができました。またセルフケアの重要性についても改めて考える機会となりました。ありがとうございました。

感想 ③

「2.5人称」という考え方や、ケアにおける距離感について、これまで深く考える機会はありませんでしたが、自分が関わりの中で辛さや行き詰まりを感じていた背景には、この距離感の問題があったのではないかと気づきました。

ケアには明確な正解があるわけではなく、固定的に捉えるのではなく、状況に応じて揺れ動きながら対応していく視点の大切さを学びました。

また、一人で抱え込むのではなく、思いを共有し、チームで支え合いながら考えていく仕組みづくりの重要性を感じました。日常的にチームで関わることが、より良いケアにつながるのだと思います。

その人にとって最善のケアを届けていくためにも、スタッフ間で良いことも課題も自然に共有できる環境づくりが大切であると感じました。

感想 ④

普段は同僚同士で改めて話し合うことの少ないテーマでしたが、本研修を通してケアにおける距離感について多角的な視点や思いに触れる貴重な機会となりました。

自身も距離感について悩んだ経験がありますが、今後はスタッフ間でケアや適切な距離の取り方について継続的に話し合える場を提案していきたいと感じました。

また、ケアの質には支援者自身の状態が大きく影響することを日頃から実感しており、チームとして良好な関係性を築きながら、互いの状態を観察し合い、必要に応じて支え合える体制を目指していきたいと思います。

今回の研修は、普段は知ることのできない同僚の考えや思いに触れる機会となり、大変有意義でした。今後は部署内で共有し、実践に生かしていきたいと考えています。

参加者の皆さまの感想から、ケアにおける距離感は日々の実践の中で悩みながらも、改めて言葉にし共有する機会が少ないテーマであることを改めて感じました。

それぞれが自身の関わりを振り返り、「寄り添うこと」と「距離を保つこと」の間で揺れながらケアを行っている姿が印象的でした。

ケアは一人で抱えるものではなく、チームで語り合い支え合う中で育まれていくものだと、私自身もあらためて実感しています。

おわりに

ケアとは、何かをしてあげることではなく、どこに立って相手と向き合うかという「あり方」に関わるものだと感じています。

今回のセミナーでは、対話を通してそれぞれが自分の距離感を見つめ直し、「2.5人称」という立ち位置を体験的に考える時間となりました。

揺れながら関わること、そのものがケアの一部です。

これからも、ケア者が安心して立ち止まり、語り合える場を届けていきたいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

Profile

管理栄養士
臨床傾聴士
食物栄養学修士
PNTトレーナー
分子栄養学カウンセラー
アスリートフードマイスター

詳しいプロフィールはこちら

目次