花粉症の予防や緩和に効果的な栄養学って?
花粉症の症状が出る方にとって、春は本当に辛い季節ですよね。くしゃみや鼻水だけならまだしも、鼻や目のかゆみは本当に辛い(涙)。そのために日常生活に支障をきたしてしまうことも少なくありません。しかし、正しい栄養が花粉症の予防や緩和に効果的であることがわかっています。
Allergy . 2003 Dec;58(12):1277-84.
花粉と触れることで(詳しくは鼻奥の粘膜に花粉が触れることで)、免疫系が過剰反応を起こし、炎症を引き起こします。炎症を抑制することが花粉症の症状を軽減するポイントとなります。
食べ物には、体内で炎症を引き起こす物質や、アレルギー反応を起こす物質が含まれています。そのため、特に花粉症が気になる時期は、こうした物質が多く含まれる食品を避けたいですね。
また、体内炎症を抑えるのに効果的な栄養素や、アレルギー反応を和らげる効果のある成分が豊富に含まれている食材を意識することも効果的です。特に、オメガ3脂肪酸やビタミンD、グルタチオンなど、免疫力を高める成分が豊富に含まれる食品は、花粉症の症状を緩和する効果が期待できますよ。
まずは引き算の栄養学
栄養のことを考える時に大切なことは、まず不要なもの(身体によい影響を与えにくいもの)を控える、ということですね。『これを食べたら大丈夫!』という食材を考えるよりも、「引き算」を意識することが大切になります。
控えたい食材3つ
① よくない油
② 白い砂糖
③ 小麦類
まずは以上の3点を意識したいものです。
よくない油は、体内の炎症を起こしたり、免疫機能の異常を引き起こします。オメガ6脂肪酸やトランス脂肪酸が豊富な油もの(コンビニの揚げ物や、ポテトチップス・フライドポテト、マーガリンが含まれているもの)や、酸化した油、加工肉(ウインナーやソーセージ)などを控えましょう。
白い砂糖は、過剰に一気に摂取することにより、インスリン分泌が亢進し、血管の炎症を起こします。砂糖が多いジュースや清涼飲料水は控えましょう。
小麦類は、グリアジンの影響により腸粘膜に炎症を起こすといわれています。パンや麺類など、特にコンビニの菓子パンなどはトランス脂肪酸も多いので、そのようなものを控えることもおすすめです。
次に足し算の栄養学
「引き算の栄養学」で、炎症を抑制したり腸内環境を悪化させないことを意識した上で、「足し算の栄養学」ですね。
意識したい栄養素3つ
① 魚
② 納豆や味噌汁、自家製漬物など
③ 野菜・果物
魚は、特に青魚はオメガ3脂肪酸が豊富に含まれていて、炎症抑制効果があります。お刺身だと簡単に摂れますね。
納豆や味噌汁、自家製漬物などは、発酵食品であり乳酸菌や酵母菌などの有用微生物が豊富に含まれています。これらの微生物は、腸内環境に良い影響を与え、腸内フローラのバランスを整える効果があります。
野菜・果物は、ビタミン・ミネラル、食物繊維が豊富であり、短鎖脂肪酸の一種である酪酸菌のエサになります。酪酸菌は、免疫の暴走を抑制する細胞を増やします。野菜や果物をたっぷり食べると、腸内環境が喜びますよ。
基本的にはシンプルに「和食」を意識
上記のようなものを意識すると、自然と、「和食」になると思います。
ご飯・お味噌汁・魚・小鉢のセットがシンプルでいいですね。
「一汁一菜」でも充分なんですよ。焼き魚がお刺身になったり納豆になったりでもよいし、野菜をたくさん食べるには、小鉢じゃなくて具だくさんのお味噌汁でいいのです。
まとめ
もし、あなたがファストフードやコンビニなどの食事が多い場合、この時期だけの花粉症の症状だからと内服のみでスルーせずに、いい機会だとして食事を軽く見直してもいいかもしれないですね。
花粉症の症状が改善するだけではなく、もっとハツラツと動ける日々が開花するかもしれませんよ^^