WBC2023決勝の凄み
▲ Amazon Prime Videoより
2023年3月22日
大谷選手とトラウト選手の大激突が実現し、見事な勝利を手にしましたね。映画のワンシーンのように、素晴らしかったです!
私も日本で行われた親善試合から、全試合を見ていたのですが、感動と興奮の日々でした。
2022年年末にあったサッカーW杯以来のスポーツ観戦三昧になりました。
アスリート大谷翔平の栄養管理への意識の高さ
身体、メンタル、人間性も最高峰の、WBC侍ジャパン・メジャーリーグエンゼルス所属の大谷翔平選手の栄養管理の意識の高さも、本当に素晴らしいものです。
「体づくり」も高校生から
▲ 日本一の目標達成法 原田メソッドの「オープンウインドウ64」より
大谷選手は高校生の頃から、『体づくり』について高い意識をもって取り組んでいます。
花巻東高校1年生の冬、甲子園出場経験のない大谷選手が書いた目標達成シートのひとつ「体づくり」の項目に、”食事夜7杯 朝3杯”と”サプリメント”と記入しています。
”食事夜7杯 朝3杯”は、ご飯をしっかり食べて、エネルギーとして炭水化物を摂ること、”サプリメント”は、ビタミン・ミネラル、アミノ酸やプロテインなどを摂り、筋肉増量や、持久力・瞬発力・集中力・判断力など、アスリートとしての力を着実につけていったのだと思います。
日ハム時代から専任の管理栄養士と契約
そして大谷選手は、プロとなった日ハム時代から専任の管理栄養士と契約しています。ザバスなどのプロテインを手がける明治の大前恵さんですね。
大前さんは、上原浩治選手をはじめ、内川聖一選手、鈴木誠也選手や、全日本バレーボールチームなど、様々なトップアスリートの栄養管理をされている方です。
大前恵さんが大谷選手にきめ細やかな栄養管理をされる中で、大きなポイントは以下の2つです。
栄養フルコース型の食事を摂る
▲ 『きほんのスポーツ栄養食10代アスリートのパフォーマンスを最高にする』大前恵著より
①主食:炭水化物(糖質)
②おかず:たんぱく質・ミネラル・脂質
③野菜:ビタミン・ミネラル・食物繊維
④果物:ビタミン・炭水化物
⑤乳製品:ミネラル・たんぱく質・脂質
この5つを意識して毎食揃えることにより、炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミンをバランス良く摂ることが出来るというものです。
たんぱく質を強化する
▲ 『きほんのスポーツ栄養食10代アスリートのパフォーマンスを最高にする』大前恵著より
大谷選手は動ける筋肉をつけてフィジカル・パワーと兼ね備えるために、特にたんぱく質を意識しています。
体重×たんぱく質2gを1日の目安量として、3回に分けて摂っています。
93kg×2=186g/186g÷3=62g
1食あたり約60gのたんぱく質を摂取するために、脂質が少ない肉や魚(牛肉や豚肉のヒレやもも、鶏胸肉や鶏ささみ、魚介類など)を使い「約20gのたんぱく質が摂取できるおかず」を1食につき3つ組み合わせることで、60gのたんぱく質が摂れるように、管理栄養士や調理師が準備しています。
「フィジカル」の強化
▲ 雑誌Number 1069号 P18より
▲ 雑誌Number 1069号 P19より
大谷選手が投手と打者の二刀流で、メジャーリーガーのパワーでも勝るのか。大谷選手は、「フィジカル」と答えています。
体重増加
プロ1年目(2013年)身長193cm、体重86kg
プロ5年目(2018年)体重94kg
8kg増量。この増量はもちろん体脂肪ではなく筋肉。「動ける筋肉」です。
屈強なメジャーリーガーにも負けないフィジカルを、「栄養力」で積み重ねたのですね。
栄養に対する「質問力」
「卵のたんぱく質と牛乳のカゼインの違いは何ですか?」
それぞれのアミノ酸組成が異なることも把握した上での質問に意識の高さが伺えます。
「カカオポリフェノールやカフェインがどのくらい含まれ、どんな影響があるのですか?」
チョコレートを差し入れた時には、抗酸化効果や覚醒効果に興味を持ち、
「乳酸菌やプロバイオティクスについて」
日本ハム時代には、腸内環境についての重要性についての質問をしたそうです。
全てのアスリートに栄養管理を
大谷選手のように、成長期から正しい栄養管理に取り組んでいれば、心も身体も大きく成長し、しなやかなメンタルと強いフィジカルをもって、大好きな競技に取り組め、自分自身の最大限の力を発揮することが出来ます。
パフォーマンスを最大限に上げるために、「何を、いつ、どれだけ、どのように摂取するか」。
全てのアスリートが正しい栄養管理に取り組めるように、栄養の専門家がサポートする環境が日本に根付くことを願い、私自身も精進していきます!