2019年1月17日。
あれから24年.
もう,と言うべきか,まだ,と言うべきかはどちらでもいい.
あの日のことは,今でも昨日のことのように思い出せる.
突き上げるような揺れと,心臓まで響くような轟音.
今でも,少しの揺れや大きな音は,あの日を思い出して恐怖だ.
6,000人余りの尊い命が一瞬にして,そしてその影響で失われた.
私が働いている病院も,数えきれない負傷者が足の踏み場もないくらいに運び込まれ,野戦病院のようだったと聞いている.
その中で,数多くの死亡確認をしなければならなかった医師達.
家族を信じ,幼子を家において,病院に駆けつけた看護師や医療従事者である仲間達.
毎年,1.17のこの日は,外来に職員が集合して,受診患者さまとともに,黙祷をささげる.
毎年涙を流す,尊敬している看護部長を遠くでみつめる.
その人の涙を見るのは1年に1度だけだ.
ボランティア元年と呼ばれ,多くの災害ボランティアが駆けつけてくださった.
トリアージの重要性が明確になった.
1.17
毎年,胸をしめつけられ,心からのご冥福をお祈りする.
震災はまだ終わっていないと感じる時がある.
災害が起こった時,患者は最も弱者の1人であると言える.
人に寄り添うということはどういうことなのか,自問自答を続ける.
私は,直接は命を救えない.
でも,人に,心に,寄り添うことができる.
1人の人間として,誰かの心を少しでもあたためることができたなら,それがまた前へ進む力となると信じて生きていく.